温室効果ガス排出抑制に対する企業の意識調査
温室効果ガスの排出抑制、取り組む企業は82.6%
~ 2050年カーボンニュートラル目標には43.4%が「達成は困難」と予想 ~
~ 2050年カーボンニュートラル目標には43.4%が「達成は困難」と予想 ~
はじめに
政府は「2050年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロ」を目標に掲げた。2021年度税制改正大綱や総合経済対策に「脱炭素」や「カーボンニュートラル」に関する項目が盛り込まれるなど、企業への支援策などが積極的に打ち出されている。また、世界的な機運の高まりを受けて、政府や自治体のみならず民間企業においても取り組み目標を掲げる動きも現れており、それぞれの対応が今まで以上に注目されている。
そこで、帝国データバンクは温室効果ガスの排出抑制や削減に対する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2020年12月調査とともに行った。
- 調査期間は2020年12月16日~2021年1月5日、調査対象は全国2万3,688社で、有効回答企業数は1万1,479社(回答率48.5%)
調査結果(要旨)
- 温室効果ガスの排出抑制に取り組んでいる企業は82.6%にのぼった。規模別では大企業(88.8%)で高く、業界別では『製造』(87.1%)がトップ。また、取り組み内容について尋ねたところ、「省エネ」が43.0%で最も高い(複数回答、以下同)。次いで「クールビズの実施(ウォームビズ含む)」(42.6%)や「ハイブリッド車、電気自動車の導入」(28.0%)などが続いた
- 温室効果ガスの排出抑制に取り組む目的では、電気料金などの「コストの削減」が55.7%でトップだった(複数回答、以下同)。次いで「法令順守」も48.9%で高い。また、「CSR(企業の社会的責任)の一環」や「SDGsへの対応」など、企業としての見られ方に関する項目では大企業で割合が高く、「資格や認証の取得」や、「ステークホルダーとの良好な関係の構築」においても同様の傾向がみられる
- 温室効果ガスの排出抑制への取り組みにおける課題では、「他に優先すべき項目がある」が27.4%で最も高い(複数回答、以下同)。「主導する人材(部署)がいない」(26.9%)や「どこまで取り組めばいいのかわからない」(25.8%)、「取り組むためのノウハウやスキルがない」(24.5%)も2割台で続いている
- 政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」目標に対して、日本全体における達成可能性を尋ねたところ、企業の15.8%が「達成可能」と考えていた。一方で、「達成は困難」とした企業は43.4%にのぼり、「達成できない」は17.9%だった。企業からは、具体的な取り組みのガイドラインや方法を求める意見が多くみられた
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