新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査(2021年1月)

2度目の緊急事態宣言を受け、人との接触削減に注力
~ 業績への影響、先行きに対する警戒感がやや高まる ~

はじめに

新型コロナウイルスの感染者数の急拡大による医療体制のひっ迫にともない、2度目の緊急事態宣言が発出、2021年1月14日時点で11都府県が対象地域となった。再び、国民の生活や経済活動に制限がかかり、さまざまな影響を及ぼすと予想されている。また政府は、緊急事態宣言にともなう飲食店の時短営業や外出自粛などにより影響を受ける事業者に対し支援を進めている。

そこで、帝国データバンクは、新型コロナウイルス感染症に対する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2021年1月調査とともに行った。

  • 調査期間は2021年1月18日~1月31日、調査対象は全国2万3,695社で、有効回答企業数は1万1,441社(回答率48.3%)。なお、新型コロナウイルス感染症に関する調査は、2020年2月から毎月実施し、今回で12回目

調査結果(要旨)

  1. 新型コロナウイルス感染症による自社の業績への影響、『マイナスの影響がある』と見込む企業は78.8%(前月比1.1ポイント減)。4カ月連続で8割を下回った。「今後マイナスの影響がある」と見込む企業は13.0%(同2.3ポイント増)となり、先行きに対する警戒感がやや強まっている様子がうかがえた。他方、『プラスの影響がある』と見込む企業は4.3%(同0.1ポイント増)となり、前月とほぼ同水準となった
  2. 『マイナスの影響がある』を業種別にみると、「旅館・ホテル」が100.0%で最も高くなった。以下、「飲食店」(95.4%)、「家具類小売」(93.8%)、「娯楽サービス」(92.2%)、「医薬品・日用雑貨品小売」(90.5%)、「広告関連」(90.0%)が9割台で続く
  3. 『プラスの影響がある』は、スーパーマーケットなどの「各種商品小売」が38.0%で4割近くにのぼった。次いで、「飲食料品小売」(23.9%)、「飲食料品・飼料製造」(12.7%)、「家電・情報機器小売」(12.1%)、「放送」(11.8%)が上位に並んだ
  4. 2度目の緊急事態宣言を受けて、何らかの「対応を講じている」企業は89.9%となり、9割近くに達した。さらに、対応内容を尋ねたところ、「都道府県をまたぐ出張や打ち合わせの削減」が55.6%で最も高く、「対面営業や打ち合わせの削減」(51.8%)や「従業員に不要不急の外出自粛などの呼びかけ」(51.7%)が5割台で続いた
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