新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査(2021年2月)

「今後マイナスの影響」を見込む企業は8.2%に低下
~ 兼業・副業を認めている企業は18.1%、4年前から増加 ~

はじめに

新型コロナウイルスの感染者数の再拡大により一部地域では緊急事態宣言が再発出・延長されていたなか、解除される地域も現れるなど、徐々に明るい兆しも見え始めている。一方で、今後の見通しは不透明な部分が多く、予断を許さない状況が続いている。そうしたなか、政府は成長戦略実行計画で、新型コロナウイルス下における多様な働き方の実現に向けた兼業・副業の環境整備を推進している。

そこで、帝国データバンクは、新型コロナウイルス感染症に対する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2021年2月調査とともに行った。

  • 調査期間は2021年2月12日~28日、調査対象は全国2万3,702社で、有効回答企業数は1万1,073社(回答率46.7%)。なお、新型コロナウイルス感染症に関する調査は、2020年2月から毎月実施し今回で13回目

調査結果(要旨)

  1. 新型コロナウイルス感染症による自社の業績への影響、『マイナスの影響がある』と見込む企業は76.3%(前月比2.5ポイント減)となり、5カ月連続で8割を下回った。なかでも「今後マイナスの影響がある」と見込む企業は8.2%(同4.8ポイント減)となり、調査開始以降で最も低くなった。他方、『プラスの影響がある』と見込む企業は4.1%(同0.2ポイント減)となり、前月とほぼ同水準だった
  2. 『マイナスの影響がある』を業種別にみると、「旅館・ホテル」が97.1%で最も高くなった。以下、「医薬品・日用雑貨品小売」(95.2%)、「広告関連」(94.1%)、「飲食店」(92.3%)など4業種が9割台で続く
  3. 『プラスの影響がある』は、スーパーマーケットなどの「各種商品小売」が39.1%でトップとなった。また、「飲食料品小売」(21.5%)、「放送」(16.7%)、「飲食料品・飼料製造」(11.3%)などが続き、主に飲食料品関連業種が上位に並んだ
  4. 兼業・副業について、『認めている』(「積極的に認めている」と「やむを得ず認めている」の合計)企業は18.1%となった。4年前の前回調査(2017年2月、10.4%)から7.7ポイント増加しており、「現在は認めていないが、今後は認める予定(検討含む)」においても同3.4ポイント増で同様の傾向がみられた。また規模別では、大企業ほど兼業・副業を「今後も認めない」とする割合が高く、慎重な姿勢をみせている
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