新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査(2021年3月)

今後マイナスの影響、2カ月連続で減少し懸念和らぐ
~ 感染予防や事業拡大からオフィスを拡大する企業も ~

はじめに

2021年3月21日までに、再発出されていた緊急事態宣言は全国で解除となった。感染者数の全国的な急増は抑制されつつも一部地域で感染者が再び増加しており、新型コロナウイルスの影響は依然として続いている。ワクチン接種の先行開始など明るい話題も聞かれてきたほか、テレワークの導入などの機運が高まり、オフィスのあり方を見直す動きもみられている。

そこで、帝国データバンクは、新型コロナウイルス感染症に対する企業の見解について調査を実施した。本調査は、TDB景気動向調査2021年3月調査とともに行った。

  • 調査期間は2021年3月18日~31日、調査対象は全国2万3,703社で、有効回答企業数は1万1,261社(回答率47.5%)。なお、新型コロナウイルス感染症に関する調査は、2020年2月から毎月実施し今回で14回目

調査結果(要旨)

  1. 新型コロナウイルス感染症による自社の業績への影響、『マイナスの影響がある』と見込む企業は74.5%(前月比1.8ポイント減)。また「今後マイナスの影響がある」(7.6%)は2カ月連続で1ケタ台となった。他方、『プラスの影響がある』と見込む企業は4.9%(同0.8ポイント増)となり、2カ月ぶりに増加に転じた
  2. 『マイナスの影響がある』を業種別にみると、「旅館・ホテル」が100.0%で最も高くなった。以下、「飲食店」(91.5%)、「広告関連」(91.2%)、「パルプ・紙・紙加工品製造」(87.4%)、「繊維・繊維製品・服飾品卸売」(86.8%)が続く
  3. 『プラスの影響がある』は、総合スーパーなどの「各種商品小売」が31.0%でトップとなった。また、「飲食料品小売」(26.5%)、「家具類小売」(13.3%)、「電気通信」、「放送」(ともに12.5%)などが続き、主に飲食料品に関連する業種が上位に並んだ
  4. 新型コロナウイルスの影響からオフィス面積を「拡大する(した)」企業は4.1%となった一方で、「縮小する(した)」企業は4.9%となり、ほぼ同水準となった。他方、「変わらない」とする企業(85.6%)は8割超であった
  5. オフィス面積を「拡大する(した)」企業を業種別にみると、「自動車・同部品小売」(12.2%)、「情報サービス」(9.7%)、「家電・情報機器小売」(9.4%)。他方、「縮小する(した)」企業は、「広告関連」(20.6%)、「医薬品・日用雑貨品小売」(18.2%)、「飲食店」(16.9%)が上位となった
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